平成29年度の第一日目は、3月の末に降り積もった雪の残る土曜日の朝から始まりました。在校生の皆さんは新しい入学生を迎える準備ができたでしょうか。
新入生の皆さんは、新しい制服に何回袖を通しましたか? 本校の制服は黒のダークスーツタイプで、女子はパンツが正装となっている珍しい学校ですが、ちょっと大学生のリクルートスタイルのようで、やはり、大人っぽい感じはしますよね。
入学式で、全員の入学を許可できることをとても嬉しく思っています。一日も早く皆さんの制服姿が板について、勉強に、部活動に、地域での活動にと、活躍する日を心待ちにしています。
改めて、4月10日の入学式を前に、新入生の皆さんへ、心からのお祝いを申し上げます。
本校は、昭和7年に町立浦河実践女学校として誕生し、昭和11年に町立浦河実科高等女学校、昭和19年に北海道庁立浦河高等女学校、昭和23年に北海道立浦河高等学校という道のりを経て、現在の浦河高校の原型ができあがりました。
初期には、全日制、定時制があり、三石町や様似町、幌泉町に分校を持ち、普通科、水産科、工業科のある大変大きな学校でした。途中、何度かの大地震に見舞われ、校舎の破損を経ながら学校の規模も次第に縮小し、平成16年までには普通科のみ4間口(1学年4クラス)の学校となっていきました。
平成24年に様似高校との再編統合により総合学科としての新生「浦河高等学校」が誕生しました。総合学科としては5年目の高校ですが、浦河町のみならず日高管内において、長く地域とともに変遷してきた高等学校です。
生徒は勉強や部活動、検定取得に非常熱心に取り組み、様々なボランティア活動、生徒会活動、最近では、浦河町の総合計画づくりに高校生会議として提言を行ったり、浦河町で新たに立ち上がる町民企画の「浦フェス」にの企画・運営にも関わっています。また、北海道の高校生の代表として北海道知事に政策提言をしたり、道内で行われている国際交流活動や英語の研究実践発表会などにも視察に出かけるなど、生徒の活動が幅広く、かつ一層活発になってきています。
進学や就職など、進路実現についても大変すばらしい実績を上げていまが、これらの活動や実績の背景には、生徒一人一人の「やってみよう」「もっとやってみよう」「もっと高いレベルのことに挑戦しよう」といったたゆまぬ努力と意欲がありました。さらに、生徒のやる気を引き出し、やる気にとことん応えることのできる先生たちの存在がありました。生徒は先生たちを信頼し、先生も生徒のやる気に応えようと全力を尽くします。皆さんは先生を信頼して、全力でぶつかってみてください。
それから、地域の方々の応援がありました。地域の方はいつも浦河高校を見守ってくれています。生徒も先生も、地域の方には感謝の気持ちでいっぱいです。
これらの貴重な要素を最大限に発揮できるシステムが「総合学科」です。「総合学科」は一般的な普通科の高校とは違って、自分がどんな生き方をしたいのか、幸せな人生を送るためにどのように人や社会とつながっていくのか、どのような職業に就いて自分の能力を発揮していくのか、そしてそのためにはどんな勉強をして、どんな大学等に行けばいいのか、といった道筋をしっかり考えることを大切にします。その見通しが立ったら、本校で用意している多くの選択科目の中から必要な科目を選択し、3年後になりたい自分を目指して勉強や様々な活動に、目的意識を持って取り組むことになります。
さあ、入学式が終わればみなさんも浦高生の一員です。「やる気」「先生」「地域の力」「体験」、これらの要素をしっかりと生かし、知識や技能を身に付け、情報を集め、身の回りにある課題に気づき、課題解決のための方策を考え、それを周囲の人に伝えたり話し合ったりしながら、3年後には、より高いレベルの答えを手に入れることができる人間に成長していることを期待します。