2月4日は立春。北海道ではまだまだ続く「厳寒の候」ですが、浦河高校では3年生が家庭学習期間に入り、登校してくる生徒が3分の2になってしまって、校舎はぐんと寒くなってしまったような寂しい趣です。
国立大学等の2次試験が始まり、進路が全員決まるのはもう少し先ですが、これまで頑張ってきた成果を全員が発揮できることを祈っています。
浦河高校では、学校の年度末の評価会議、卒業式関係の会議、卒業認定会議、そして平成29年度高校入試に関する会議など、年度末特有の様々な会議や行事等の準備に追われています。先日発表があった高校入試出願状況でご存じの方も多いと思いますが、現在のところ、クラス数を現状維持できるだけの出願があり、まずは、安堵しています。地方にある高校の共通の悩みは、何と言っても生徒数の減少です。地域の人口減、子どもの出生率の低下、公共交通事情の悪化など、高校の努力ではいかんともし難い情勢ではありますが、ピンチはチャンスです。これらのことを他人事ではなく、自分達の課題として捉え、自分達なりの解決案を考えたり、地域の方と一緒になって地域を元気にする活動に参加したり、生徒が社会との関わり方を学ぶにはまたとない機会と捉えています。
これからの社会を支える若者に期待する資質・能力は、浦河のような地域に育ち、地域に学んだ生徒にこそ育っていくものだとも言えるでしょう。それが、浦河高校の使命であり浦河高校がここにある意味なのだと考えます。一昔前の、安定した就職ができること、有名な大学に合格できることを目標とするスタイルの高校であれば、人口の集中する中核都市に数校ずつあれば用が足りるでしょう。人口減に比例して、地方の高校が順番に姿を消していく状況と表裏一体の関係にあるように思います。だからこそ、どんな社会を想定して、どんな資質・能力を持った生徒を、地域と一緒になって育てていくのか、そういった理念を持った高校でありたいと思っています。